DELCDの特徴
・検出対象:塩素化合物、臭素化合物
・検出下限:約10ppb
・FID、NPD、TIDとの併用が可能

DELCD

VOCの分析例(濃度:50ppb)
DELCDは環境サンプル中の塩素化合物および臭素化合物の微量分析に適しています。
DELCDは感度の点でECD(電子捕獲型検出器)とほぼ同等ですが、ハロゲンに対してはるかに高い選択性を持ち、酸素には感度を示しません。また、SRI社のDELCDは従来型の湿式電気伝導度検出器と異なり、溶媒系電解液やニッケル反応管を使用せず、反応生成物を気相で検出します。そして、高感度モードではDELCDはピコグラムレベルの低濃度まで検出可能です。このモードでは、DELCDはFID/DELCDの約100倍の感度を示します。ただし、高感度モードのDELCDは、高濃度の塩素化合物や炭化水素系溶媒による汚染を受けやすいという特徴があります。
上に掲載しているクロマトグラムは50ppbのVOC標準試料をSRI社製GCで分析した際のものです。FIDクロマトグラム(中央)では全ての成分と溶媒が検出されていますが、DELCD(上段)は溶媒に応答せず、PID(下段)は1,1,1-TCAを検出しません。
条件:50ppbのVOC標準試料(水溶液)をVOAバイアルに入れ、室温で45分間平衡化させた後、ヘッドスペース1 mLをSRI社製GCのオンカラムインジェクターに注入